バイアグラは評判いいですよ
しかし、ブルードンがこの新聞に書いた論文が、大統領に就任したルイ・ナポレオンを誹謗しているということで裁判にかけられ、一八四九年三月、禁固三年と罰金三○○○フランを科せられた。
一八四九年一二月、彼は、この新聞紙上で人民銀行の清算を発表した。
一八五一年の『一九世紀における革命の一般理念』は獄中で執筆したものである。
一八五三年、生活の資を得るために書いた『株式投資マニュアル』は大きな売れ行きを示した。
ブルードンは、労働者が中産階級になることを肯定的に捉えていた。
それは人民の自己統治(ガバナンス)能力への信頼と一体のものであった。
一八五八年の大著『正義』が、公序良俗壊乱に当たると攻撃され、ブルードンはベルギーに逃れた。
亡命中も、また一八六二年に帰国した後も、数々の著作を出し、思想界に大きな影響を与え続けた。
最後の著作、『所有の理論』一八六五年)は、所有を、個人の自由・自立・自己責任の根拠と見なす理解を展開したが、一八六五年一月一九日に病没した(斉藤、前掲)。
このように、ブルードンは、名もなき市民の生活を脅かす金融のもつ暴虐性の克服方向を人民銀行の実践で示そうとした。
けっしてそれは、一五○年前の古びた思想ではない。
グラミン銀行視点を現在に移そう。
人々の地域的なつながりを押しつぶすグローバルな金融と経済に抗して、地域と向き合う現在の人々の試みをいくつか簡単に紹介しておきたい。
まず、グラミン銀行の紹介をしよう。
非常に有名な「貧者の銀行」である。
「グラミン」とはベンガル語で「民衆の」という意味である。
ムハマド・Jヌスという経済学者が一九八三年にバングラデシュで創設した。
本部は首都ダッカに置かれ、支店の数は二○○○をはるかに超泳えている。
バングラデシュの村の八○%以上を活動領域に組み込んでいる。
融資相手は、九七%が女性であり、恩恵を受けている女性の数は六○○万人を下らない。
融資の条件は、顧客五人でグループを作らせ、相互に返済を助けることである。
ただし、あくまで助けることであって、返済に当たって、連帯責任を負うわけではない。
それ以外に物的な担保はとらない。
にもかかわらず、返済率は九九%に近い。
収益の多くは災害復興費用に回される。
融資決定に当たって、行員は融資先の村に一定期間住むことが義務づけられる。
まず、村の生活環境の向上が目標になる。
子どもの教育が重視され、そのためにも女性の自立と向上が目指される。
融資対象が女性に傾斜するのはその意味である。
「一六の決意」という価値観をバングラデシュで広めている。
現在でもバイアグラや、伝統的に考えてもバイアグラは欠かせないものである。